日記 思い出語り3 忍者ブログ
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 にいやんは驚くぐらいよく喋った。
関西弁が懐かしいんやって、にいやんは言うてたけど。
なんとなく、ホンマはこの人は沈黙を恐れてるんちゃうかなって、思ってた。
でも、それは俺もいっしょやったから。
4畳半のボロアパートの、きったいない部屋で。
男二人でむさくるしい話やけど、一個しかない布団を半分こして、俺らは寝るまで喋り続けた。
どっちも、置き去りをビビッてたんやと、今は思う。
置き去りにされたら、最悪。
カーテンも無い部屋は、外の街灯の光がモロに差し込んで、薄暗い。
その、散らかった薄闇を見つめながら、眠れるまでたった独り。
背中合わせの、相手の寝息を数えるぐらいしかすることが無い。
煩いくらいしゃべっとったから。
残された後の沈黙は、いっそ耳が痛いほどやった。
その時間が、厭で厭でしょうがなかった。

「………」

夜中になると。
完全に寝入ったにいやんは、よく俺のことを無意識やと思うけど、ぎゅっと抱きしめてきた。
俺も、気がついたらにいやんにしがみつい取ったから。
俺らはまるで、お互いに縋りつくみたいにして、寝た。
朝になれば、しれっと最初と同じ背中合わせになっとったけど。
それでも、にいやんは孤独を恐れとったんやと、今なら思う。
誰かの体温が、必要やったんや。
やって、今の俺がそうやもん。

ホンマに、つくづくヤクザにむいてへんお人やったんやで。
まあやから、俺はにいやんが好きやったんやけど。





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