日記 この間の仁佐ネタ後日談@一松 忍者ブログ
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「…そう言えば…」

 のんびりと、二人向き合って茶を啜る。
 ふと、思い出したかのように、口を開いた松之助に、一太郎は小首を傾げて、先を促した。

「佐助さんって、時々可愛いですよね」

 のんびりと。茶を啜りながら、何事が思い出したらしい、和やかな笑みが、零される。

「――――っ?」

 唐突過ぎる言葉に、思わず、噎せた。
 どこをどう取ったら、可愛いなんて言葉が出てくるのか。
 問い質そうにも、咳が喉を塞いで叶わない。

「大丈夫ですか!?」

 慌てたように、背をさすってくれる松之助に、心配そうに覗き込まれて。
 ようやっと、一心地が着く。

「兄さんっ」
「はい?」

 ぎゅっと、松之助の手を握りしめて。
 言葉の真意を、問い質そうと勢い込む。
 松之助は取られた手はそのままに。
 相変わらず、心配そうに眉根を寄せたまま、空いた手で、一太郎の口の端を、拭ってくる。

「佐助が…好きなの?」

 『可愛い』とは、そんな意味なんだろうか。
 真逆、とは思うけれど。
 僅かな不安が滲む声音で問い掛ければ、松之助がきょとんと、目を見開いた。

「佐助さんですか?」
「うん」
「好きですよ」
「――――っ」

 微笑いながら、告げられた言葉に、目眩がする。
 ふうらり、縋り着くように、目の前の松之助の胸に、倒れ込む。

「一太郎っ?」
「私よりも?」
「え…?」

 驚いたように、抱き留める松之助には構わずに、じっと、その眼を見上げる。

「私よりも、佐助が好き?」
「…え…?あ、…違…っ」

 ようやっと、一太郎の質問の意図を理解したのか、松之助が慌てたように、首を振る。

「何が、違うの?」
「佐助さんは、同じ仕事仲間で…一太郎は…」
「私は?」

 困った様に眉尻を下げる松之助の手を引いて、続きを促す。
 
「…い、一太郎は…義弟だし、誰より大事、だよ…」
「…義弟というだけ…?」

 どうしても、声音に寂しさが滲む。
 兄弟に抱くそれよりも、もっと深い想いを、己は抱いているのに。

「…そ、れは…」

 言い淀む松之助の、目尻が赤い。
 本当は、それだけで十分なのだけれど。
 どうしても、松之助からの言葉を、聞きたいと思う。

「それは?」

 一層、眉尻を下げる松之助の視線を、逃さぬように引き寄せる。

「――――っ」

 不意に、殆どぶつかるように。
 唇に触れた、柔らかな感触。
 ほんの、一瞬だったけれど。
 松之助からのそれに、驚いて顔を覗き込めば、耳まで真っ赤にして。
 泣き出しそうな表情で、見つめてくる目と、ぶつかった。

「こんなの…一太郎にしか、しない…」

 小さく、小さく。
 零された言葉に、かっと、耳が熱くなる。
 込み上げてくる愛しさのまま、きつくきつく抱きしめて。

「好き。兄さんが、一番好き」

 綴るのは想い。
 顔を見合わせれば、朱い頬のまま。
 どちらとも無く、零れる照れ笑い。
 きゅうと、抱き合う腕の中。
 互いの体温が、ただ、愛しかった。




――――――

一松はやってらんないくらいらぶらぶか、ドン引くくらい一太郎さんが依存症かどっちかだと思う。

一太郎さん気付いてあげて。
屏風の中で約一名砂嚢作ってる人がいるから。




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