日記 佐松と言い張る。 忍者ブログ
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「いっ…たぁ…」

響いた小さな悲鳴に、顔を上げれば、涙目で柱を掴む松之助。
今日で三回目の光景に、流石に、苦笑いよりも心配に眉根を寄せる。

「今日は一体どうしたんですか?」

ぶつけたらしい足の小指を、引っ込められるより早く、屈み込んで診てやりながら。
問い掛ければ、松之助が困ったように笑う。

「昨日、あまり寝てなくて…」

ばつがわるそうなその声音に、一体どうしたと、視線で質す。

「本を、借りたんです。仁吉さんから」
「仁吉に?」

確かに、仁吉は山の様に大量の書物を、所有している。
しかし、その大半は、薬種やら病やらのもので、松之助が読むような本は、無かったはずだと、乱雑に積み上げられた古書の山を思い出しながら、小首をかしげる。
その、疑問を感じたのか、松之助が、照れたように、笑った。

「若だんなの、病のことなど…を、知りたくて…」

その言葉に、思わず、目を見開いていた。

「けど、難しい言葉が多くって…」

気恥ずかしそうに笑って、そろり、佐助に取られたままの、足を引く。

「色々、調べていたら、すっかり遅くなってしまいました」

苦笑する、その目元には熊が浮かんでいた。
夜、皆が寝静まった大部屋で。
小さな灯りを頼りに、懸命に本を読みすすめる姿が、脳裏に浮かぶ。
そこにはただ一心に、一太郎の抱く苦痛を理解したい、寄り添いたいと言う、思い。

「…若だんなを、大事に思ってくれるんですね」

ふうわり、気付けば手が伸びていて。
松之助の頭を、撫でる。
松之助は戸惑うように、佐助を見上げながら。
はにかむように、口元に笑みを含んで。
しっかりと、頷いた。



「おやまぁ…」

昼の長休みも、松之助は真剣な表情で、借りたのであろう本と、睨み合いをしていて。
その真摯な姿を、微笑ましい心地で見守りながら。
邪魔にならぬよう、静かに昼食を取っていたのだけれど。
頁を捲る音が、不意に止んだと、顔を上げた先。
卓袱台に突っ伏して眠る松之助を見つけ、佐助は僅かに、目を見開いた。

「…あなたが風邪を引きますよ」

小さく、呟いて。
軽く上下する肩に、掛け物を、かけてやる。
その口元に浮かぶのは、穏やかな微笑。
昼からの仕事は、自分が代わってやってやろうと、佐助はそっと、席を立った―。





―――――――

課題への現実逃避。
実際は仕事変わってくれる心優しい佐助さんはいない。
つまり寝れない。

疾患に関する資料が少なすぎて泣ける(ノД`)


でも若だんなの為に疾患の勉強する兄さんは可愛いと思う妄想。

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