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ここはとある保育園。
朝からお友達が次々登園してきます。
「おはようございまーす」
弟を抱っこしてお部屋に入ってきたのは松之助くんです。
弟の一太郎くんは両手に抱えられて…と言うより、でろんとぶら下がっての登園です。
「はい、松之助くん、一太郎くん、おはようございます」
出迎えてくれたのは佐助先生です。
「よろしくおねがいします」
松之助くんの手から、一太郎くんを預かってくれる佐助先生に、松之助くんが、ぺこりと頭をさげます。
なんて礼儀正しい子なんでしょう。
「…ふぇ…」
まあまあ途端に一太郎くん泣きそうです。
松之助くんは慌てて、おカバンとお帽子を、自分の棚にしまうと、一太郎くんにかけよって、その頭を撫でてあげます。
一太郎くんはお兄ちゃんが大好きです。
片時でもお兄ちゃんが離れたら泣きます。
一太郎くんは体がとっても弱くて、泣くとお咳が止まらなくなってしまうので、松之助くんは一太郎くんの傍に、いつもいてあげています。
松之助くんも、一太郎くんが大好きなんですね。
―おやつの時間―
さあ、みんな集まったら、朝のおやつの時間です。
じゅんばん じゅんばん。
みんなちゃんと並べるかな?
「ぎゃ…っ!」
おやおや。もう誰かべそをかいている子がいます。
屏風くんです。
仁吉くんにおやつを取られちゃったみたいですね。いつもです。
「仁吉っ!お前また…」
「…ぼっちゃんどうぞ」
佐助先生が怒っているのを、知らんぷりして、仁吉くんは自分のおやつも、屏風くんのおやつも、一太郎くんにあげようとします。
一太郎くんは一度にたくさん食べきれないので、困ってしまいます。
「ああ、ああ…。ほら、泣くんじゃないよ」
いつまでも泣き止まない屏風くんを、守狐先生が、おひざに抱っこしてなだめます。
「あの…これあげる…」
泣いてる屏風くんに、松之助くんが、自分のおやつを半分こしてさし出しました。
なんて優しい子なんでしょう。
屏風くんも、おやつをもらえて、やっと涙が引っ込みました。
「ほら、屏風。ありがとうは?」
「…ありがと」
「うん。いいよ」
笑う松之助くんの袖を、一太郎くんが引っぱります。
どうやらおやつ攻撃から、逃げてきたみたいです。
犯人の仁吉くんは、ちゃっかり佐助先生のお膝で、お茶してます。
「兄たん、あげる」
「うん。じゃあ、はんぶんこね」
一太郎くんは一度に全部食べれないので、はんぶんこして、残りの半分を、松之助くんは、こっそり佐助先生に渡します。
あとでまた、一太郎くんが、食べられるようにです。しっかりしてます。
―お昼寝の時間―
ご飯も食べて、おなかがいっぱい。
なんだか眠くなったころ、お昼寝の時間がやってきます。
一太郎くんは、松之助くんの横に、お布団を敷いてもらって、お昼寝です。
その隣に仁吉くんが、ちゃっかり自分で、お布団を敷きます。
仁吉くんはいつも、一太郎くんがちゃんと眠れるか、気になってなかなか寝ようとしません。
なので佐助先生が、二人の間に入って、背中をとんとんしてあげます。
一太郎くんは、松之助くんに、背中をとんとんしてもらって眠ります。
「…佐助せんせー。一太郎寝たよ」
小さな小さな声で、松之助くんは、佐助先生に知らせてあげます。
佐助先生は、やさしく笑って、「ありがとう」と言ってくれます。
松之助くんは、ちょっぴりはずかしくなって、きゅっと、お布団にほっぺたを押し付けました。
目を閉じて、眠くなるのを、待ちます。
「松之助くんは?」
いきなり、佐助先生にお名前を呼ばれて、目を開けると、佐助先生は、いつの間にか、松之助くんの横に来ていました。
何が、「松之助くんは?」なのか、よく分からなくて。
お布団の中で首をかしげて佐助先生を見上げていると、とんとんと、二回、背中をやさしく叩かれました。
「とんとん、しなくて良い?」
「………!」
松之助くんは、大きく目を見開きました。
だって本当はずっと、誰かにとんとんしてもらいたかったんですもの。
でも、松之助くんはお兄ちゃんです。
自分から、言い出すなんて出来ませんでした。
「佐助せんせー…」
「うん?」
やさしく顔を覗き込まれて、松之助くんはなんだかちょっと、困ってしまいます。
でも、言わなくちゃわかんないよと、いつも佐助先生に言われているので、がんばります。
「と、とんとんしてほしい…」
ちょっぴりはずかしそうに。
おふとんに半分お顔をかくして、松之助くんがいっしょうけんめい伝えると、佐助先生はにっこり笑って、背中をとんとんしてくれました。
とってもやさしいそれに、松之助くんも、すぐに眠くなって、寝てしまいます。
「手の掛からない子ですよねぇ」
細い目を更に細めて、守狐先生が感心したようにいいます。
その腕では、屏風くんがやっと寝付いたみたいです。
屏風くんは、守狐先生に抱っこされてでないと絶対に寝ません。とんだ甘えたさんです。
教室にみんなの寝息が響きます。
やさしいやさしい風が、窓の向こうに吹いてしました。
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っていう妄想を保育園実習間ずぅぅぅぅぅぅっとしてました(…)
仁吉を先生にするととっても犯罪のかほりがするので自重。
仁吉くんは守狐先生が大嫌い。
あーすっきりした(貴様)