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時々R‐18w
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御坊から教えてもらったとおり。
承香殿の女御殿は、帝の子を、身篭っていた。
当然、そこには様々な、人の欲が、渦巻いていて。
なるほど此れは確かに、比干でなくとも、付け入る者は多いだろうと、守狐は思う。
女御に仕える女房に取り入ることなど、守狐には容易いことで。
枕語りに、様々なことを、教えてくれた。
『この間不思議な貢物が…厄災避けだとか言って、狐の皮を持ってきたの。白金色の綺麗な毛皮だった…。夫婦の狐だから、縁起が良いと言っていたわ。…献上された女御様は、とても喜んでいたけれど…』
それは人間の男が、女御に送ったものだと言う。
白金色の狐など、野狐であるわけがない。
比干はまだ、妖を殺し続けている。
それも、最も惨い方法で。
『それを、送ったのは誰…?』
教えて貰った男の屋敷を訪ねれば、そこには邪気の名残が、色濃く立ち込めていて。
どくり、両の眼が、疼いた。
―近い…―
間違いないと、思う。
ぎりと、拳を握り締めれば、掌を爪が刺す。
滴る赤も、気にならなくて。
夜の闇に、守狐の黄金色の瞳が、光る。
気を、尖らせれば、闇夜に浮かぶ、邪気の跡。
間違い無いと、確信する。
比干はいるのだ。
すぐ、近くに。
「―――!」
狐の名残の、真白い耳が、ぴくり、跳ねる。
その耳が捉えたのは、確かに、悲鳴。
それも、幼い仔狐特有の、甲高い声だった。
思い出すのは、女房の言葉。
夫婦の毛皮と、言っていた。
ならば、その仔がいても、おかしくは無い。
視線を巡らせれば、遠くの山に、僅かに、妖光が、見える。
妖が術を用いる時に放つ、その光が、何度か瞬いていた。
「逃がさぬ…」
呟きだけが、その場に残り。
真白い風が、闇を駆けた。
―――――――
あとちょっとー!!!
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