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時々R‐18w
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「じゃあ買出し行きたい人ー」
9月。メイン行事の学園祭。
クラスの出し物は決定した。
あとは必要物品をかい出しに行く人を決めるだけ。
ちらりと視線を投げた窓の外は、もう九月だって言うのに積乱雲が聳え立っていて。
抜けるように青い空と、真っ白なそれはまだ夏を主張していた。
「めんどくせー」
「暑いのやだ」
そんな声が、あちらこちらから上がる。
もう、ホームルームの時間は15分も過ぎている。
早く決めなきゃ、部活に行けない。
拘泥した状況に眉間に皺を寄せつつ隣に目をやれば、多分私以上に不機嫌そうな顔をした水野がいて、思わず、笑ってしまいそうになる。
「じゃあ、私行きます」
笑ってる場合じゃない。
これ以上、場が長引けば、本気で部活時間が削られる。
真っ直ぐに伸びた手に、クラス中の視線が突き刺さる。
教卓の委員長が、安堵したように、笑った。
「よし。じゃあ後は男子から…」
「俺が行きます」
委員長が皆まで言う前に。
ゆるく、上げた手とは正反対の。
苛立ちが混じった声で、水野が手を上げた。
早々に決まった面倒くさい仕事に、クラス中から安堵の息が漏れ聞こえる。
全く、無責任なんだから。
「良いの?」
小声で、隣に問いかければ、相変わらず不機嫌そうに眉間に皺を寄せたまま。
「早く終わらせたいだろ」
とだけ返されて、その予想通りすぎる答えに、また、笑ってしまいそうになる。
「そうだね」
ちらりと視線を投げた窓の外は、もう九月だって言うのに積乱雲が聳え立っていて。
抜けるように青い空と、真っ白なそれはまだ夏を主張していた。
サッカーをするには、申し分ない日和だものね。
「ありがとうございました」
店員の声を、背中に聞いて。
「コレで終わりだよな」
メモを見つつ、水野が手に取ったのはペットボトルとかスプレー缶とか。
重いものが入った、買い物袋。
他の男の子みたいに、気取った、押し付けがましい優しさではなくて。
あまりにもさりげないそれは、当然のこととして、水野の中にあるんだろう。
別に、私を意識しているわけじゃ、無い。
分かっているから、嬉しいけれど、悔しい。
店を出た途端、身を包むむっとした熱気に、思わず、眉間に皺を寄せる。
「あっつ…」
隣で小さく呟いた声に、視線をやれば、陽炎に揺れるアスファルトから反射的に視線を逸らし、俯いて。
伸びた前髪が、紅茶色の瞳を、隠しこんでいた。
「ね、お釣りでジュース買おうよ」
真面目な水野が止める前に、預かった財布から、小銭を取り出して。
自動ドアの横に置かれた自販機に、放り込んだ。
「お前な…。クラスの金なんだぞ」
「私たちに押し付けたんだから手間賃貰ったっていいじゃない」
笑って言えば、水野が呆れた様に、溜息を吐く。
「シゲに似てきたんじゃないか」
その言葉が。
余りにも親しい、その呼び名が。
つきり、胸に突き刺さる。
「そうかもね」
自販機に向き直りながら笑ったのは、思い切り強がりだ。
転がり出てきたサイダーを拾い上げて。 一口、飲みながら歩き出す。(コーラを選択しなかったのは意地だ)
喉を刺激する冷たい炭酸が心地良い。
「行儀悪いぞ」
「だって暑いじゃない」
窘める様な視線を投げてくるから、悪びれず笑ってみせる。
歩くたび、制服の厚い生地のスカートが纏わりついて気持ち悪い。
「授業時間内だから」なんて理由で、制服で買出しに行かなきゃ行けないなんて理不尽だ。
見上げた空は、何処までも青く、聳え立つ積乱雲は、もう九月だというのに、かまわず夏を主張しているというのに。
ふわり、横切る赤とんぼが、何だかひどく不釣合いだった。
セーラー服の胸元をパタパタと忙しなく扇ぎながら。
ふと、あることを思いついて、半歩後の水野を振り返る。
がさり、軽い買い物袋が、音を立てた。
「飲む?」
掲げて見せるのは、サイダーのアルミ缶。
「飲む」
やはり、暑さには勝てなかったのか。
素直に差し出された水野の手と、一瞬、指先が触れ合う。
冷たい汗をかいているアルミ缶をずっと持っていた所為か、あたしの手は随分と冷たくなっていたらしく。
触れ合った水野の指先は、何だかひどく熱く感じた。
「間接キスだね」
ごくり、水野の喉が上下するのを確認して。
揶揄するように笑う居ながら言えば、盛大に吹き出してくれて。
「ば…っか…!」
咽こみながら詰る顔は、暑さの所為じゃなくて、赤い。
「ふざけんなよ」
不機嫌そうな声音で、ずいと、アルミ缶をつき返される。
怒ったように、足を速めて。
今度は水野が、半歩先を歩き出す。
紅茶色の神から除く耳が、まだ赤い。
本当に、この手の冗談を、水野は嫌う。
「別に、ふざけてないんだけどな…」
半歩先の背中に聞こえないように。
小さく呟いて、笑ってみたつもりだったけれど。
どうにも、巧く笑えなかった。
見上げた空は、何処までも青く、聳え立つ積乱雲は、もう九月だというのに、かまわず夏を主張しているというのに。
ふわり、横切る赤とんぼが、何だかひどく不釣合いだった。
―――――――――――――
そんな訳で小島ちゃん^^
夏・セーラー服・中学生が大好きだ!!!
因みに別にシゲ水なわけではなく、あの年代の同性同士の友情の親密な友情に妬いてるだけ^^
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にいやんは驚くぐらいよく喋った。
関西弁が懐かしいんやって、にいやんは言うてたけど。
なんとなく、ホンマはこの人は沈黙を恐れてるんちゃうかなって、思ってた。
でも、それは俺もいっしょやったから。
4畳半のボロアパートの、きったいない部屋で。
男二人でむさくるしい話やけど、一個しかない布団を半分こして、俺らは寝るまで喋り続けた。
どっちも、置き去りをビビッてたんやと、今は思う。
置き去りにされたら、最悪。
カーテンも無い部屋は、外の街灯の光がモロに差し込んで、薄暗い。
その、散らかった薄闇を見つめながら、眠れるまでたった独り。
背中合わせの、相手の寝息を数えるぐらいしかすることが無い。
煩いくらいしゃべっとったから。
残された後の沈黙は、いっそ耳が痛いほどやった。
その時間が、厭で厭でしょうがなかった。
「………」
夜中になると。
完全に寝入ったにいやんは、よく俺のことを無意識やと思うけど、ぎゅっと抱きしめてきた。
俺も、気がついたらにいやんにしがみつい取ったから。
俺らはまるで、お互いに縋りつくみたいにして、寝た。
朝になれば、しれっと最初と同じ背中合わせになっとったけど。
それでも、にいやんは孤独を恐れとったんやと、今なら思う。
誰かの体温が、必要やったんや。
やって、今の俺がそうやもん。
ホンマに、つくづくヤクザにむいてへんお人やったんやで。
まあやから、俺はにいやんが好きやったんやけど。
関西弁が懐かしいんやって、にいやんは言うてたけど。
なんとなく、ホンマはこの人は沈黙を恐れてるんちゃうかなって、思ってた。
でも、それは俺もいっしょやったから。
4畳半のボロアパートの、きったいない部屋で。
男二人でむさくるしい話やけど、一個しかない布団を半分こして、俺らは寝るまで喋り続けた。
どっちも、置き去りをビビッてたんやと、今は思う。
置き去りにされたら、最悪。
カーテンも無い部屋は、外の街灯の光がモロに差し込んで、薄暗い。
その、散らかった薄闇を見つめながら、眠れるまでたった独り。
背中合わせの、相手の寝息を数えるぐらいしかすることが無い。
煩いくらいしゃべっとったから。
残された後の沈黙は、いっそ耳が痛いほどやった。
その時間が、厭で厭でしょうがなかった。
「………」
夜中になると。
完全に寝入ったにいやんは、よく俺のことを無意識やと思うけど、ぎゅっと抱きしめてきた。
俺も、気がついたらにいやんにしがみつい取ったから。
俺らはまるで、お互いに縋りつくみたいにして、寝た。
朝になれば、しれっと最初と同じ背中合わせになっとったけど。
それでも、にいやんは孤独を恐れとったんやと、今なら思う。
誰かの体温が、必要やったんや。
やって、今の俺がそうやもん。
ホンマに、つくづくヤクザにむいてへんお人やったんやで。
まあやから、俺はにいやんが好きやったんやけど。
「ようシゲ。大きくなったなぁ」
知らん声に振り返ったけど、杖片手に立つその人が、一瞬誰か分からんかった。
昔は杖なんかついてなかった。けど、サングラス越しの眼差しは凄みを増とった。
思わず、立ち竦むくらい。
「本当にサッカー選手になりやがったな」
薄く笑う声に、全身が総毛立つ。
この人が俺のことを覚えとること自体、信じられんかった。
「後ろ姿が彼奴にそっくりだぞ」
アイツ。
この人と俺の共通の知り合いなんか一人しかおらへん。
ド派な金髪にピアス。
そう言えば俺、にいやんの歳越してしもたなぁ。
「アイツも喜んでるだろうよ。…まぁ精々おきばりやす」
へったくそな京都弁でそれだけ言うと、あの人は杖をつきながら踵を返した。
何がしたかったんか、全く持ってわからへんかったけど。
あの人はそれきり、俺の前に現れる事はなかった。
インターホンも鳴らさず、いきなり鍵を開けて入ってきたモンやから、最初は死ぬほどびっくりした。
「にいやんは出てますけど」
一応麦茶なんぞを出しながら言うと、あの人は馬鹿にするみたいに薄く笑った。
笑うと凄みが増すなんてあの人ぐらいなもんやと思う。
「今日は家賃を貰いに来たんだよ」
ノンフレームの眼鏡越しにのぞき込まれて一瞬、息を呑む。
「あの…やからにいやんは…」
「アイツは俺の舎弟。だから俺がこの部屋の面倒を見てる。アイツは代わりに俺や組の為に働く。わかるな?」
「…はい…」
薄い笑みを浮かべながら。
言い含めるみたいに喋るあの人に、俺は頷くしかない。
「この部屋に住むならお前も、例外じゃない」
「………」
「俺もアイツもお前の事は気に入ってる。だから、組のために働けとは言わねぇよ」
薄い笑み。
顎にかかる指になる程だからにいやんは出て行く時にあんなにも挙動不審やったんかと、ぼんやりと思った。
今思えば俺の見てくれは、あの人に拾われた頃のにいやんに似てたんちゃうかな。
「安心しろよ。ガキに突っ込むほどキチクじゃねぇから」
じゃあガキにしゃぶらせるんはキチクやないんかいって思ったけど、 言わんかった。
一応あの人はそれ以上を求めることはなかったし、ホンマに組関係のヤバい仕事には俺を関わらせたりはせんかった。
あの人が帰った後。
帰ってきたにいやんは、俺と絶対眼ぇ合わさへんかったけど、無駄に優しかった。
ホンマに不器用で悪いオトナになりきれへんお人やったんやなぁって思う。
やから不思議と、あの人に、自分の身代わりみたいに俺を売り飛ばしたにいやんに、腹が立つことはなかった。
「お前サッカー選手になるんやろ?」
にいやんはある日真剣な顔でそんなことを言いだした。
確かにサッカーは好きやったけどプロになるとかそこまで考えてへんかった。
第一、そんなんしんどい。
「せやったら、学校とかも考えななぁ」
にいやんはよく一人勝手に考え込んでた。
俺は正直どうでも良かったけど、でも、俺のことで真剣に考え込んでくれるんが、くすぐったくて嬉しかった。
「今度、俺が昔飛び出した寺、連れてったるわ」
サッカー選手がヤクザとつるんどったアカン。とか言い出して。
俺はにいやんの部屋を出て行かなアカンのが嫌で、曖昧な返事で濁した。
にいやんの嘘吐き。
連れてってくれる言うたクセに。
結局、俺一人で寺訪ねたやんけ。
――――――――
シゲが寺へ行くのにこんな経緯があったら萌える(無いから
はぁ、と、悴んだ手に、吐き掛けた息が、白く流れる。
少し前から降り出した雪は、珍しく居座るつもりなのか。
溶けることなく、降り積もる。
同じぐらい前から、誰かと待ち合わせているらしい、目の前の少女の肩が、薄っすらと白く色づいていたから。
自分の肩にも、同じほど、降り積もっているんだろう。
「………」
手の中のケータイを、弄びながら。
思い出すのは、つい先ほどの、シゲの声。
なんとなく、思い立って来てみたら。
よほど驚いたのか、「すぐ行く」と言った、その声の後に。
ケータイの向こうから響いたのは、何かに躓いたらしい派手な音と、悲鳴。
マフラーに隠れた口元。
つい、浮かぶのは、思い出し笑い。
記録的な大寒波がどうのと、天気予報は言っていた。
目の前の少女の耳は、痛々しいほど、赤くなっていて。
痛いほどに冷えた、自分の耳も同じぐらいなんだろうと、思う。
じんと、コンクリートの地面から伝わる寒さが、爪先を痺れさせる。
こんな寒い中、待たせてるんだから。
来たら何か、奢らせてやろう。
「早く来い馬鹿」
呟く、マフラーに覆われたその口元。
やはり笑みが、浮かんでいた。
――――
某高校サッカー準決勝を見て笛熱が滾った。
の割りにサッカー関係ねー(笑
森もあんな感じだったんでしょうねねねね^^^^
自分でも、どうしてその人と「付き合おう」と思ったのか、よく分からない。
そもそも、付き合ってくださいといわれることは、それこそ、今まで数え切れないくらいあったけれど(厭味じゃない。事実だ)、付き合うというのがどういうことかなんて、よく、分からない。
「ねぇ」
学校からの帰り道。
不意に、彼が立ち止まるから。
私も釣られて、立ち止まる。
取り立てて目立つ容姿でもなければ、目立つ成績でもない。
部活は剣道部らしいが、まぁそこそこの成績。といったところらしい。
「なあに?」
少し見上げる彼の髪が、夕日に透けて、金色がかって見える。
強いて言うなら、彼のこの、紅茶色の色素の薄い眼と、髪が、気になったところなのかもしれない。
「キス、したいんだけど。…ほら、俺ら付き合ってるわけだし」
「…はあ」
唐突な言葉に、思わず、間が抜けた声が出る。
「付き合ってる」から「キス」しなければならないのだろうか。
横顔に当たる西日が熱い。
まだ、六月だというのに。
昨日降った雨の湿気を多量に含んで、強い日差しに蒸された空気は、暑い。
セラー服下、ちょうど胸と胸の間を、汗が伝う感触が不快だった。
ああ、早く帰って着替えたい。
「………」
私の間が抜けた返事を、勝手に了承と解釈したのか。
彼の両手が、あたしの両肩に掛かって、不意に、顔が近付いてくる。
跳ね除けることも、出来たけど。
なんとなく、どんなものか気になって。
彼の唇と、私のそれが、重なるに任せてみた。
「………」
1秒、2秒、3秒。
意外と、長いんだ。
小さい頃、戯れに兄と交わしたそれと、大差ないな。
何て思ってたら。
不意に、唇にぬらりとした感触が触れてきて。
それが彼の舌だと分かった途端、思わず、肩に置かれた手を、振り払っていた。
よろけた彼が、植え込みの紫陽花にぶつかって。
ぐしゃり、紫陽花の花が、潰れるのが見えた。
幾枚かの花弁が、黒いアスファルトに、散る。
毒々しいほどの、赤。
「何すんのよ!」
きつく、睨みつける。
彼は少し驚いたような、傷付いたような顔をしていたけれど。
足元に、散った紫陽花の花弁を、踏み躙って。
あたしは、彼に構うことなく、背を向けて走り出す。
ぐっと、手の甲で唇を拭う。
気持ち悪い。
不快に、感じている自分に気付いて。
ああやっぱり、私は彼の事が「好き」ではなかったんだと自覚した。
「ねえ水野」
休み時間。
推理小説を読み耽る横顔に、声を掛ければ、返ってくるのは生返事。
その髪は、窓から差し込む陽光に透けて、少し金色がかって見える。
綺麗な、紅茶色。
「何」
声を掛けておいて。
続く言葉が無いのを、怪訝に思ったのか、水野が、文庫本から私へと、視線を移す。
髪と同じ、紅茶色の強い瞳に、私が映る。
「昨日ね、私、キスしたの」
「…は?」
唐突な言葉に、思いきり間が抜けた顔を晒した後。
丁寧に整えられた眉が、思い切り顰められた。
その目元が、微かに赤いのは、きっとただ単に、水野がこの手の話題を苦手としていることを表しているだけで、他意はないんだろうな。
「それが俺に何の関係があるんだよ」
「うん。それでね。私、彼のこと好きじゃないんだって、気付いちゃったから」
噛みあわない返事を返しているなと、自分でも思ったけれど。
零した言葉に、水野が驚いたように、その羨ましいくらい、長い睫に縁取られた目を、見開いた。
「馬鹿じゃないのか」
「うん、そう思う」
こくんと頷けば、水野は呆れたような表情を浮かべて、また、文庫本に視線を落とした。
「…そういうのって、好きな奴とするんじゃねぇのかよ」
「よく分かんないけど」と、前置きして言われた言葉に、ああやっぱりそうあんんだろうなあと、思う。
「うん、そうだと思う」
じっとりと、木目にまで湿り気を帯びた机に頬杖をつきながら、頷く。
今日も、暑くなるんだろうか。
「水野も、するなら、好きな人と、したい?」
「…そりゃそうだろ」
ああ本当にこの手の話題は苦手なんだ。
いっそ冷たいと思うほど、口調は早口でそっけないものになってる。
目元も、さっきよりも少し、赤い。
「そう、だよね」
なんとなく、心臓の辺りが痛い。
少し、息が苦しいような心地さえ、する。
「何だよさっきから」
「ううん。何でもない」
身体を真正面に向けて、視線を逸らす。
じっとりと湿り気を帯びた机に、突っ伏する。
誰かがカーテンを引いたんだろう。
周りの空気が、翳る。
水野が文庫本を捲る、乾いた音だけ、やけに鮮明に、耳に届く。
休み時間の教室なんて、この上なく騒がしいというのに。
「………」
ぎゅっと、セーラー服の胸元を、握り締める。
ねえ水野。
私さ、本当にキスしたい人、誰か分かった。
そでも、この想いは絶対に唇に乗せることはない。
だって私は知っているもの。
好意を持っていない相手からの「付き合ってください」が、どれほど煩わしいものかを。
「………」
思い出すのは、昨日の不快な、あの感触。
水野に、こんな思いをされるのは、嫌だった。
だから、言わない。
昼休みが来たら、三年生のフロアに行こう。
紅茶色の髪が、隣の奴を思い出させるから、何となく、OKしてしまったけれど。
当たり前に、彼と奴とは、別人だから。
私は彼を、「好き」じゃあ、無かった。
そして、昨日のことを、彼に謝ろう。
そして、…言おう。好きじゃないって。
好きな人に、好きなフリをされるほうが、きっと、辛い。
だって私は水野に、そんな真似されたら、きっと泣いてしまうもの。
誰かが、廊下の窓も開けたらしい。
教室に一気に、風が通る。
膨らんだカーテンが、一瞬、頬を撫でた。
その、オフホワイトに区切られた世界で。
満ちる陽光に、水野の紅茶色の髪は、金色の光に、縁取られていて。
ああ、綺麗なだなと、見とれてしまった。
ねぇ水野。
あんたが好きになる人って、どんな子なんだろうね。
―――――――――
小島ちゃんの初は絶対に保育園の頃お兄ちゃんとに一票(笑
笛はやっぱり基本フォモが好きですが(…)NLなら小島×水野が好きです。
NLでも水野受けwww
夏・中学生・セーラー・恋
凄くすきです(…